COHJU contemporary artでは10月1日(土)から29日(土)まで、白矢幸司の個展「the world」を開催いたします。
白矢は、2010年にロイヤルカレッジ オブ アート・ロンドン ( 陶芸・ガラス ) を修了、現在は自身の出身地である兵庫県を拠点に創作活動をおこなっています。その作品はどれも、自然界の土壌を構成する主成分である「シリカ」、「アルミナ」、「カルシウム」を「1,280°C」で焼成する、という決め事に即して作られています。様々な配合で混ぜ合わされた3つの鉱物は、一定の温度で焼かれているにもかかわらずそれぞれの融点の違いによって、あるものは小さな砂粒の集まり、またあるものは白い石の塊、さらに別のものはガラス質の液体といった具合に、まるで異なるものへと変化します。
土と火を素材にミニマルでコンセプチュアルな仕事を続けてきた白矢の、関西では初となる個展です。この機会にぜひご高覧ください。
「地球上には多種多様の物質が存在します。それらが自然環境の中で千変万化を繰り返し、様々な風景や現象を創り上げています。私は"土"を広義に捉え、化学反応と物質変化に焦点を当てことで、自然現象の美しさと人間の介在の可能性を探ると共に、根底にある真理を追求してきました。
本展では、地表の大部分を占める成分である、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、カルシム(CaO)という3つの物質、そして水(H2O)に素材を限定し、制作した作品を展示します。熱反応と水によって引き出される、物質の表情豊かな変化の形態は、自然現象を人工的に簡潔に再現、 抽出したものであり、いわば世界の縮図とあると考えます。構成する要素要因のバランスと、とりまく環境との関係によって特性が生じ、また変化する。それは、自然物質だけではなく、人間社会、さらには我々の精神・心理にも共通するものではないでしょうか。」 ー白矢幸司