矢津吉隆は、人種や民族を越えて人間に共通する「神を感じる感覚」への深い興味から、これまで数多くの文化人類学の考えやリサーチに基づいたアートプロジェクトに数多く取り組んできました。鏡や人形といった宗教儀式に深く関わりのある素材を用いて、目に見える物質と精神世界との境界を具現化し、宗教や文化を越境した現代における全人類における共通感覚としての「神」の表現を試みています。
矢津吉隆は1980年大阪生まれ。2004年に京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻を卒業し、現在は京都を拠点に活動しています。在学中よりアーティストグループAntennaの中心メンバーとして活動し、アジアやヨーロッパを中心に様々なアートプロジェクトを手掛けました。Antenna脱退後に個人活動を開始し、京都芸術センター、大阪府立現代美術センター、青森県立美術館を含む主要な機関で作品が展示されました。また、2013年にはフランス・ブザンソンのレジデンス・プログラムに参加するなど、国内外を問わず幅広く活動しています。