田中秀和は、美術史への現代からの応答として、抽象絵画の可能性を広げる試みを追求している作家です。
ピカソ等の歴史的な画家のドローイングから抽出した「線」を脱構築・再構成するcloud paintingシリーズや、磁石を用いて各要素を自由に動かすことのできる作品など、近年では特にキャンバス上に時間という概念を落とし込む試みに注力しています。絵画に哲学的な思考を持ち込む一方で、カラフルで遊び心に溢れた田中の作品は、シンプルに視覚的な喜びも併せ持っているのが特徴です
田中秀和は1979年兵庫県に生まれ、京都市立芸術大学博士課程単位取得満期退学後、京都を拠点に活動を続けています。日本各地で個展やグループ展が開かれ、Jean Pigozziコレクション、大林財団、髙橋コレクションなどの著名なコレクションに作品が収蔵されています。