東慎也は、ニュースや日頃目にする情景から着想を得たイメージをドローイングに書き溜め、それらを大胆な筆致でキャンバスに描き起こしています。独特な色使いと豪快に塗り重ねたメディウムの質感で構成されるシンプルな作品は、見るものの脳裏に焼き付いて離れない力強さを持っています。一見するとコミカルで愛らしいモチーフの裏には、現代の世相を反映したものから性的な描写を含む自身の個人的な経験まで、幅広い主題が込められており、SNS等で拡散されているミームのような、風刺とも自虐ともとれる独特なユーモアが彼の作品の魅力の一つと言えます。
東 慎也は1994年に大阪に生まれ、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の修士課程を修了。現在は京都を拠点に活動しています。
東京や京都のギャラリーでの展示に加え、2019年にオーストラリアのシドニーで開催されたSydney Contemporaryでは、現地キュレーターにより採択された若手作家にフォーカスした特別会場にて作品が展示されました。